« WEB句会 2019年10月のお題 | トップページ | WEB句会 11月のお題 »

2019年11月 9日 (土)

WEB句会 10月の入選句

皆さま、いつもWEB句会にご投句いただき、ありがとうございます。

「電話」は、よく出題される言葉なので、新しい切り口を探すのが難しかったかもしれません。皆さん様々な工夫をされている中、特選句はシンプルに直喩で長電話を表現してくださいました。さらりと書かれているようですが、この「砂漠」には救いようのない暗澹たるものを感じます。掴もうとしても指の隙間からサラサラと零れ、大声を出しても風にかき消され、涙はアッと言う間に砂に吸い込まれてしまいます。ならば切ってしまえばよさそうなのに、こちらからは切れない理由があるのでしょう。そこが辛いところです。電話と砂漠、予想もしていない組み合わせでした。

「手伝う」の特選句には作者の切実さを強く感じました。「手伝って」と言えるようになるまでのこと、そして今もまだまだ苦しみの中にいるであろうことに胸が痛くなります。しかしながら、彼女はその先にある「歌」をしっかり見据えていることにとても感動いたしました。現代川柳は、求める人のためにあるのだとつくづく思います。

特選の方には、ささやかな記念品を贈呈いたします。よろしかったらご連絡ください。

 

「電話」
入選
受話器置くポップコーンが弾けだす 明日歌
機種変更 君もあなたも消しました 泰子
母の日の電話は2件子がふたり ゆうこ
電話ボックス外も私も吹雪いてる
淋しくて間違い電話長くなる
切れそうで切れない母の長電話 かつひろ
猫の耳冷えて答えの出ぬ電話 理惠
鳴り止まぬ電話 呼吸をしない部屋 良仁
受話器の向こうからスースー風が来る
死者からの間違い電話だったらし 椎太
留守電に水の流れる音ばかり ちなみ
かすれゆく草書もしもしお母さん ひろ子
特選
果てしない砂漠のような長電話 冬子

 

「手伝う」
入選
黙然と地球をころすお手伝い 椎太
手を出せば人の匂いが付く獣 葉火
水だけで描く夜なら手伝える 明日歌
手伝いはいりませんかと薬瓶 冬子
手伝いを拒み続けて歩む亀 冬子
手伝って文句言われて 猫じゃらし たえ子
余命半年母を手伝う衣更え 理惠
手伝って笑われてますお猿です 蓮子
手伝いなのか邪魔してるのか月明かり
野良猫の手伝うように舐める皿 まこと
助っ人の距離にライバルいる不安 ちなみ
塩むすび母は黙って加勢する ゆうこ
会話ない夫手伝う障子貼り 泰子
家政婦のサチさんハハを有難う 泰子
排泄を手伝う指が亡母想う
目にも手にもなるよ生きててくれるなら
風車まわすていどは手伝える 冬子
特選
手伝って 私は歌を取り戻す

« WEB句会 2019年10月のお題 | トップページ | WEB句会 11月のお題 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« WEB句会 2019年10月のお題 | トップページ | WEB句会 11月のお題 »

2020年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ